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フォトセンサ回路の検討

ローム社製フォトリフレクタRPR-220

光センサーってひとことで言っても色々あるようで、右の図のように赤外線を出すフォトダイオード (以下簡単にLEDと記述)と、赤外線を検出するフォトトランジスタ(同様、 以下簡単にTRと記述)が、同じ面を向いていて、何か物体がセンサーの前に来ると LEDからの赤外線が反射してTR側に到達し検出される仕組みの形を反射型フォトセンサと言うそうです。 反射型なので、フォトリフレクタとも言うようです。

今回ご紹介はしませんが、LEDとTRが向かい合うように配置され、その間に何か物体が存在すると LEDからの赤外線がその物体に遮蔽されTRまで到達しなくなることを検出する通過型フォトセンサもしくは フォトインタラプタというものもあります。

無骨くんでは、反射型センサで床面の黒色テープを検出して トレースする仕様のため、フォトリフレクタを今回は使ってご紹介します。

2007/11/26 Satoh Kohtaro

フォトリフレクタの回路

まず、何はともあれ、電気を流さなければならないので、回路を組みます。

フォトリフレクタ実験

無骨くん検討用にと準備しているブレッドボードに、 今回も回路を組んでみます。

回路図はこんな感じです。

フォトリフレクタ実験回路

上図中のVce間の電圧が、床面情報の検出電圧になります。

床面の黒い部分を検出するとVceは高い電圧値(電源電圧に近い値)、 逆に白い部分を検出するとVceは低い電圧値(0Vに近い値)を出力するはずです。

この黒い部分で高い電圧明るい色の部分で低い電圧値になる理由は、 回路の組み方とTRの特性によるものなのです。

簡単に説明すると、TRは、ある決まった範囲の色(波長)の光に反応し、その光が強いほど端子間 (上図でいうVce間)に電流を流しやすくする特徴の素子なのです。

フォトリフレクタは、そのTRTRがよく反応する波長の光(たいていは赤外線)を発する LEDが組み合わされた素子で、LEDから出された光をどれだけ強く受光しているか(どれだけ反射されて TRに光が届くか)を電気的に検出する素子なのです。

LEDの光がTRに強く届けば届くほど、フォトトランジスタVce間に電流が流れやすくなる (抵抗成分が小さくなる)ため、上図のような回路構成にすると、固定抵抗Bとの電源電圧の分圧比が 小さくなり、Vce間電圧が小さくなるのです。

2007/11/26 Satoh Kohtaro

抵抗値の決定

フォトリフレクタ回路には抵抗を2箇所使います。ひとつはLEDの電流制限(発光強度調整)に、 もうひとつはTRの電流制限(検出感度調整)にです。

今回採用のRPR-220(ローム社製)のデータシートを確認し、LEDに流せる電流の最大値とTR両端にかけられる 電圧の最大値をまずはチェックしておきます。これらの値を超えた使い方をすると素子が壊れてしまう場合が あるからです。(※そのようなぎりぎり限界許容される数値が様々な素子のデータシートには表になって載っていますが、 一般的に絶対最大定格と言われています。)

RPR-220に関しては、

  • 入力・発光ダイオード・順電流→50mA
  • 出力・フォトトランジスタ・コレクタ-エミッタ間電圧→30V
  • 出力・フォトトランジスタ・コレクタ電流→30mA

とのことなので、これだけはチェックしておきます。ちなみに、回路ミスによる逆耐圧印加などに関しては考慮しません。:-p

今回抵抗値決定は、カットアンドトライ:-pで決定しましたが、決定にあたっては、ただ闇雲に行うわけではなく、 以下の諸条件を満たすようにと調整しました。

  • マイコンの入力端子特性による制約から、Highレベル電圧値は、4.0V(電源電圧×0.8)~5.3V(電源電圧+0.3)の範囲
  • 同様に、Lowレベル電圧値は、-0.3V(グランド電圧-0.3V)~1.0V(電源電圧×0.2)の範囲
  • 手持ちの抵抗(100Ω、470Ω、1KΩ、4.7KΩ、10KΩ、47KΩ、100KΩ、470KΩ、1MΩ)単体または数本の組み合わせで 作ることが出来る抵抗値の範囲:-p

参考までに、上記回路の固定抵抗AおよびBをそれぞれ変化させた時の特性の傾向としては、以下のようになると推測します。

固定抵抗値の変化と特性変化の傾向
抵抗値を小さくする 抵抗値を大きくする 特性の傾向
固定抵抗A LED電流が大きくなる(発光強度が強くなる) LED電流が小さくなる(発光強度が弱くなる) LED発光を強くするほど、同じ反射でもTRに届く反射光がより多くなり、黒色検出がシビアになる。 また当然消費電力も増大する。
固定抵抗B 反射光検出時のTR電流が大きくなる 反射光検出時のTR電流が小さくなる データシートより、TR側電流の増減は、消費電力の増減に影響するが、検出感度等の変化には比較的響かない。 電力消費の面から、なるべく抵抗値を大きくしたいが、実験で確認しておく。

上記の諸条件から幾度か抵抗値を変えて、大体良さそうな抵抗値は、以下のとおりとなりました。

固定抵抗A:1KΩ
固定抵抗B:47KΩ

実験時の風景はこんな感じでした。

黒色検出時

黒色検出時。

センサーと用紙の間隔を5mm前後にしておくと、だいたい4.5V~4.9Vくらいを指しています。

よって、マイコンポートでも正しく認識されると思われます。

白色検出時

白色検出時。

こちらもセンサーと用紙の間隔を5mm前後にしておくと、だいたい0.1V~0.9Vくらいを指しています。

なんとなくぎりぎりの感がありますが、マイコンポートでも正しく認識されると思われます。 (実際使う時にまた微調整することにします。)

その時の消費電流は、LED側約3.9mA、TR側最大約0.1mA。合計で約4mAとなります。

2007/11/26 Satoh Kohtaro

おまけ(無骨くんに応用するので)

無骨くんとして、このフォトリフレクタを使うわけですが、 1個の目に4mAの消費が伴うとすると、たとえば4個付けたとして32mAの定常消費...。

感覚(勘?)的に、これは大きすぎます。

ということで、無骨くんにこのセンサーを複数使う場合は、

同時には1個のセンサーだけを活かして電流を流し床面を検出し、その間他のセンサーへの電流供給はカットする。

センサーの時分割制御
(画像クリックすると拡大画像が見られます。9

このような時分割制御を速い間隔(ソフトウェアでの判定処理間隔と同じかそれ以上の速さ)で行うことで、 見かけ上4個のセンサー値を常時取得しているのと、機能的に変わらなくなるのです。

しかもセンサーにかかる電流は最大でも1個分。センサーの数が多ければ多いほど効果的な節約術です。:-)

ちなみにRPR-220の絶対最大定格にて、LEDおよびTRの応答時間は10μ秒(流す電流量によって多少変化するでしょうけど)程度との ことですので、時分割間隔としては、この時間を考慮して、これ以上速いOn/Off切替はしないように注意しておくことにします。 (実際の切替周期はミリ秒単位のもくろみです。)

ちょうど、使用を予定しているマイコンには、直接10mA駆動(吸込み)が出来るポートが用意されているので、 そのポートを使って時分割On/Offをしてみたいと思います。

詳しくは、今後無骨くんの方で紹介していく予定です。

2007/11/26 Satoh Kohtaro

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このページは 2014/10/25 12:24:33 に更新しました。
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